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ACCが大切にしたいこと

ACCが目指すこと

「ACC・希望」は、心理的かつ社会環境的な危機に直面している子どもたちと、子どもたちを取り巻く環境を支援する様々な活動を通し、よりよい未来社会のために貢献することを活動の理念としています。

紛争、貧困、暴力など現在世界が抱えている諸問題は、私たち人間が幾世代もかけて創りだしてきた現実であり、ACCは私たち一人ひとりがその現実の当事者であるとの認識を心の中におきたいと考えています。それを踏まえて、時代の波の中で生み出されてきた大きな負債を背負いながら「明日の世界」を生きなければならない子どもたちが、希望を持って未来を構築していくためへの支援活動を通し、私たちも共にその困難から学び、真の平和を目指して共に成長する支援のあり方を模索し、実現していくことを目指しています。

危機に直面した子どもたちは、何らかの理由でとても閉ざされた環境の中にいます。それには貧困などによる物理的な制約も多くあるでしょう。しかしもっとも恐ろしく、そして危ぶまれるのは、心が閉ざされること、つまり未来への希望を失ってゆくことではないかと思われます。

「ACC・希望」は、厳しい状況におかれた子どもたちと私たちが一緒に希望を創りだしていけるよう、心の側面からサポートするために生れたNGOです。「希望」とは何でしょうか。どのような困難の中にあっても、またたとえ限られた条件の中であっても、子どもたち一人ひとりが、そして私たち一人ひとりが、本来心の中に持っている創造性を解放し、自分自身の人生を築いていけると信じられること、そして何よりも、誰かと、本当は多くの人と繋がっていると実感できることではないでしょうか。

言い換えれば、それは「こころの力」が子どもたちの中に宿ること、「こころの力」は明日を築く力です。私たちは、それを「平和」の始まりだと考えています。

心の平和が意味すること

ユネスコ憲章前文は、「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない。相互の風習と生活を知らないことは、人類の歴史を通じて世界の諸人民の間に疑惑と不信をおこした共通の原因であり、この疑惑と不信のために、諸人民の不一致があまりにもしばしば戦争となった。」という文章で始まります。

調和ある社会は一人ひとりの心の調和から始まります。現在困難の中にいる人々だけではなく、一般に支援者といわれる私たちもまた、その調和を目指し歩んでいく存在です。

そのためには個的な安心にとどまることなく、異なる社会・文化、異なる世代、異なる個性の中で出会い、理解し、受け入れ合う寛容性が問われているのではないでしょうか。

ACCは、困難の中にある子どもたちに何かを「与える」ということではなく、その中で生きる人々や子どもたちとの出会いや関わりを通して、人間が生きるということ、戦争が人間に残すもの、社会の豊かさとは何か、よりよい未来の意味するもの、それらを共に考え、深めていくことを大切にしたいと考えています。危機の中にいる人々や子どもたちは、実は私たちに、「人間らしく生きるとは、どういうことなのか」という問いかけをしている大切な存在だと思うのです。

発足当初、トラウマを受けたクロアチア難民の子どもたちとその家族への心理療法的サポートを中心とする活動から始まったACCは、その人々との交流の中から数々のことを学びました。心のサポートにはカウンセリングや心理療法も大切な要素です。しかし、彼らが本当に求めているのは、自立性・自律性を持った存在として人間同士の絆を築くこと、つまり尊厳ある人間として存在する自分を実感し、かつそのように周囲からも認識されることであるように私たちには感じられました。この実感は、その後セルビアに逃れてきたコソボ難民、姉妹団体Zdravo da steの仲間達、カンボジアやスリランカの人々との出会いを通して、一層強まっていきました。

互いの心を尊重し、尊厳を呼び覚まし、人間同士が繋がりあえていると実感できることが、心の平和、ひいては社会・世界の平和への大切な一歩になると思うのです。

「関わり」、「伝える」、そして「継続」

このように、ACCでは活動を「支援」というよりも「関わり」と認識しています。

そしてこうした「関わり」に積極的に取り組む仲間達への呼びかけ、特に若い世代の中に子どもたちの未来に主体的に取り組む仲間達が育まれることにも、努力を傾けてきました。私たちが活動を通じた「関わり」の中で見聞きしたこと、感じたことを日本の人々、特に子どもたちに伝え、仲間の輪が広がっていくことが、活動地域と日本、双方の子どもたちの未来にとても大切なことだと思っています。

また、現在の国際社会では、次々に起こる紛争や困難に対して「にわか雨」のような大量の援助が降り注ぎますが、その多くはまた、次の目標に比較的短期間で移っていく傾向がみられると思います。確かにそうした支援も必要且つ重要なものですが、そればかりではなく、ひとつの地域と関わり続けてこそ、見えてくるもの、学びとなるものがあり、それは「心に平和のとりでを築く」ために、欠かせない一歩になるように思います。

心理ワークショップとアート、異文化

心理ワークショップとは、観念的な思い込みを自分から手放して、意識の下に隠れている本来の自分に気づき、また誰しもが持っている心の力―それは築き上げる力、想像力、他者と出会い、繋がりあう力ともいえますが―を実感し、自らの中で育んでいくための、ゆるやかな枠組みの場面設定です。他者から理屈として教えられるのではない、自分の中の感性的な実感の積み重ねがワークショップの大切な核心となりますから、描画、音楽、踊りやパフォーマンス、詩などアートが多く取り入れられています。

ACCは心理社会支援を主たる活動の柱としていますが、中でも心理ワークショップを重視する理由として、ワークショップのコンセプトには、通常の「心のケア」に見られがちな「患者」対「治療者」といった人間をカテゴリー化する構図ではなく、支援に関わる人々もまた成長のプロセスにあるという、双方向的な関わりが明らかな要素として存在していることが挙げられます。どのワークショップでも、行う際の重要な前提のひとつは「遊び」です。

旧ソ連の著名な心理学者ヴィゴツキーは、「遊び」を子どもの健やかな発達に重要な精神空間と説きました。ワークショップとは、子どもの「遊び」が生きる力に、回復する力へと結びつくのを知る場面であると同時に、大人であるはずの私たち自身も「遊び心」、「おさなごころ」を取り戻し、自分の生きる力をもう一度、感じとる場でもあります。そしてアートは、いつもその「遊び心」と共にあって、ワークショップを生き生きとしたプロセスにしてくれます。

ACCはこれまで現地姉妹団体「Zdravo da ste」との協力関係の下に、難民の高齢者層や子どもたち、コソボのセルビア人居住地域の子どもたちへの活動を行ってきました。

共に関わる子どもたちにとって、ACCの存在は、目に見える現実を越えた広がりがこの世界にあることを、未知のものに対するわくわくするようなときめきを、そして異なる文化を背負った人間同士が出会えることを、単に知識ではなく、体験として実感する大切な要素にもなっているのではないでしょうか。ワークショップの中の、異文化の存在が意味するところです。

そして今、その学びは、セルビアの子どもたちだけではなく、日本の子どもたちとカンボジアなど他の活動地域の子どもたちを結ぶACCの交流活動の中にも、生かされています。

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