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これまでの活動

ACCは発足以来、次のような活動も実施してまいりました。
 以下にその概要をご報告いたします。

こころの手(クロアチア共和国)

最近のクロアチアは復興目覚しく、日本の新聞でもクロアチア観光の宣伝もよく見かけるようにさえなりました。しかし、ACC発足時の2001年は、難民センターもまだ数多くあり、ユーゴ紛争の被害が色濃く残されている社会事情でした。

心理社会支援・心のサポートを活動の中心として発足したACCの活動の最初の軸足はクロアチアでした。ユーゴ紛争で繰り広げられた内戦特有ともいえる、それまでの「同胞」同士の激しい対立は凄まじいものがありました。拷問や虐殺、レイプといった極端なケースも稀ではありませんでした。クロアチアで出会った難民の方々の話を聞くうちに、彼らがかかえる紛争勃発当初の混乱と緊張が去った後に残ったトラウマ・心の傷、そして復興の芽生えから取り残された疎外感に対して、何らかの支援が必要なことに気づいたのが「こころの手」の始まりです。

シュパンスコ難民センターの家族とアナ・グレグル(左)

ACCは、クロアチア人の心理療法家アナ・グレグルと共にザグレブ市内にあるシュパンスコ難民センターの人々、またペトリーニャ市近郊のマラ・ゴリッツァ難民センターで暮らすある難民家族、特に子どもたちに対しての心のサポートを開始しました。これらの人々は、ユーゴ紛争最大の激戦地の一つである、クロアチアのヴコヴァル市から逃れてきた国内避難民でした。

支援を必要としている人々ではありますが、心のサポートを順調に根付かせるには、信頼関係を築くことが大切です。シュパンスコ難民センターでは、まず週に一回幼児教室を開き、子どもたちへのケアを続けながら家族との交流を図る期間を持ちました。信頼関係が徐々に築かれる中で、漸く心の問題を抱えた難民の方々から相談が寄せられるようになりました。そして必要に応じて、思春期を迎えた少年、少女、その両親への個別心理療法も併せて実施するようになったのです。マラ・ゴリッツァでは、7歳のときにレイプを受けた少女の家族に対して、家族療法的な取り組みでの支援を行いました。

「こころの手」は2003年末まで、約3年間にわたり実施された活動ですが、その間、約40人の子どもたちとその家族への心理支援を継続しました。クロアチアの復興は進み、ヴコヴァル市への帰還が進み始めたこと、そして何より長い期間にわたり一つの場所に関わることで、多くのクライアントの皆さんに成果が見られたことから、この活動は終わることになりました。アナ・グレグルはその後も、帰還した家族からの相談に電話で応えて、クライアントのフォローにつとめてくれました。

彼らの故郷ヴコヴァル市郊外。大量虐殺の遺体遺棄現場が墓地になっている。

コソボ難民緊急支援

武力衝突直前のスタディ・ツアーで。学校の図書館の本を自分達で選び、「大きな町の買い物」を体験。

2004年3月17日から3日間にわたり吹き荒れた、コソボでのアルバニア系住民とセルビア系住民間の武力衝突は、死傷者500名以上、国内避難民4,000名(すべてセルビア系住民)発生という大惨事となりました。この突然の暴力の嵐によって村を追われた避難民の中には、私たちACCがこれまで善意あふれる皆さまからのご協力を受けて支援を続けてきた、ゴイブリャ村の子どもたちも含まれていました。ゴイブリャ村は、コソボに陸の孤島のように点在するエンクレーブ・セルビア人地区の一つです。

同年3月に、バルカンの悲劇を忘れていない日本の若者たちは、参加したACCスタディ・ツアーの折にセルビア中部の町で行なった「ワークショップ」で、この村の子どもたちとの心和むひとときを過ごしました。

前年の2003年の「ワークショップ」の時には、まだ心を閉ざし、硬い表情だったゴイブリャ村の子どもたちが、笑顔を溢れさせて楽しく若者たちとの交流をした、あの美しい青空の下での一日の、わずか10日余り後、子どもたちは、村を追われたのです。

現地姉妹団体「Zdravo da ste」からは、現在村人の大半は一応帰村したものの、3家族はこれ以上村で生活する恐怖に耐えられないと、モンテネグロに難民として逃れていったとの知らせが入りました。そして、村に戻ることを決めた人々にとっても、不安と困難の中での生活に何ら変わりなく、状況はさらに厳しくなっているということでした。ACCは、この武力衝突により困難に直面している避難民の人々を対象とする「緊急援助」を開始することに致しました。

現地での必要性が高いとの判断に基づき、ACCの緊急アピールに応えて下さった支援者の皆さまのご協力をもって、乳児用粉ミルク・紙おむつを「Zdravo da ste」が持つセルビア各地の支部ネットワークを通して、乳児を抱えコソボを逃れてきた避難民の家族に、直接届けることが出来ました。同年8月には、ACCメンバーがその中の家族を訪問し、無事に育った乳児に対面いたしました。また事態が少しおさまった後、安全な場所で子どもを対象とした心理学ワークショップも実施いたしました。このワークショップは、このたびの紛争で大きな心の傷をうけた子どもたち、そしてその家族にとっても、深い意味があるものとなりました。

「平和な世紀」への期待をもって明けた21世紀、次々に起きる新たな紛争が、多くの悲劇を生み出しました。一方、その陰で、「過去のものとなってしまった紛争」が残す、長く厳しい苦しみを背負う人々の存在は、国際社会の中で忘れ去られようとしています。ACCの呼びかけにお応え下さり、バルカンの地でその苦しみに中にいる人々に、あたたかい思いを寄せて頂いた皆さま方に、あらためて感謝申し上げます。

ご賛同・ご支援いただける方は、ご協力方法のページもご覧下さい。

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